そのサイトを知るまでは2chは疎か「掲示板」というものを利用したことすらなかった。そのサイトに集まるどこか似たような境遇の人たちは互いに緩い絆で結ばれていてその緩さが対人関係の苦手なボクにとっては大変居心地のよい空間に感じられた。軽い挨拶から悩みごとまで時にはハンドルネームで時には匿名で書き込みながらその初めて体験する居心地のよさをしばらくの間気軽に楽しんでいた。
このブログを通しても感じたことだがそこにはリアル社会では出会ったことのない心のどこか一部が通じ合うような嬉しさを感じることも多々あり次第にのめり込むように利用頻度を増していった。
しかしボクは大事な一点を見落としていた。ネットにも歴然とした対人関係が存在するということを。
リアルで出来ないことがネットで叶うというのは明らかに錯覚である。文字通りそれはバーチャルな体験にしか過ぎない。
ある出来事によってそれを思い知らされて以来そのサイトから距離を置くようになり同時にこのブログひいてはネット自体からも離れるようになっていった。
ニンゲンが怖い。ネットが怖い。ネットの向う側にいる見知らぬニンゲンたちが怖い。その恐怖は同時に憎しみにも似た嫌悪感をも呼び起こす。そんな自分自身にも激しく憎悪を覚える。この1ヶ月あまりその恐怖と憎悪が四六時中頭から離れないでいる。このブログに寄せられたせっかくの善意のコメントすら目を背けたくなってしまう。
そんなことは百も承知のはずだった。その為にこれまで人との関わりを避けてきたはずなのに。なんて愚かなこと。
もっと愚かしいことにネットを再開したここ数日もそのサイトを覗いてしまっている。まるで痛む虫歯をわざわざ確認するかのように。今では憎しみが怒りに変わっている。この怒りがおさまらないうちは本当の意味で距離を置くことは出来ないような気がしてならない。いやそもそも距離を置きたいのかすら怪しくなってきた。これがネット依存というものなのだろうか。
さすがに掲示板に書き込むことはしていないが全てを暴露してぶち壊したい衝動を何とか抑えているのは根っからの小心さに他ならない。理性などという立派なものでは決してない。
気がつけばこのブログを始めてから1年が経っていた。この1年どれだけ助けられたか分からない。一旦は閉鎖してしまおうかと思ったがここは唯一の心の拠り所である。と同時に件のサイトと同じ落とし穴に陥ることも忘れてはならない。距離を置くということがどういうことか今は分からないが少なくとも理性が働くまでは閉鎖するのは止めようと思う。
(コメントへの返事はしばらく出来ないと思います。ゴメンなさい)